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音楽録音で使用した4台のヴィンテージピアノ

NHK大河ドラマ「どうする家康」

使用ピアノ解説動画

1989年製 STEINWAY & SONS Model-D

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ピアニスト達が「F1」と呼ぶ、1989年製ニューヨーク・スタインウェイ。近代ピアノの技術のすべてを集約した、タカギクラヴィアのフラッグシップともいえる楽器である。王者にふさわしい絢爛たる響き、そしてピアニストのためのピアノたる可能性が秘められている。フレームには、当時のスタインウェイ&サンズ社社長 H.Z. スタインウェイ氏、ホロヴィッツなど歴代の巨匠たちの技術者であったフランツ・モア氏のサインがあり、ボディ側面の「NEW YORK」の真鍮文字は、スタインウェイ社のスタッフが特注で入れてくれた、世界に 1 台のスタインウェイである。

1932年製 STEINWAY & SONS Model-D(ラフマニノフピアノ)

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ラフマニノフが、長らくニューヨークの自宅で所有していたピアノ。 ウェストエンド・アヴェニュ ーに住んでいた 1932年から 1942年、ビバリーヒルズに居を移すまでの間、ピアノ協奏曲第 4 番や交響的舞曲の作曲、またそれまでに作曲した作品の改訂をするなど、数多くの作曲に使用されており、「ラフマニノフのピアノ」として最も有名な楽器である。このピアノはその後バーバーが所有し、ソナタ第 1 番などを作曲した。バーバーのソナタ第 1 番は、1948年に作曲され1950年にホロヴィッツが世界初演している。 ホロヴィッツは何度かバーバーの家を訪ね、作曲途中のソナタについて「終楽章をフーガにしたほうが良い」などバーバーに助言したという記録が残っている。

1912年製 STEINWAY & SONS Model-D

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世界大戦中、自由とお金を求めてニューヨークに集まってきた、ロシアやヨーロッパの巨匠たち。彼らがピアノに求めた音色、タッチ、及びその反応に答えるべく、スタインウェイは次々に改良を加え、近代ピアノの構造を完成させた。CD368(CDとはConcert D型の略)は、スタインウェイ本社コンサート部の貸出用として当時活躍していた楽器。1900年代初頭のスタインウェイは、ゴールデンエイジと呼ばれるほどクオリティが高い。それは巨匠達の時代真っ只中であり、近代クラシックの黄金時代の楽器だからである。1800年代のロマン派独特の香りを残し、太い重低音と輝かしい高音、メロウな中音域、豊かな色彩を持つこの楽器は、多くの巨匠達と過ごしてきたキャリアの余裕すら感じられる。

1887年製 STEINWAY & SONS Model-D

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スタインウェイ社は、当時最新鋭だったエラール(フランス製)を超えるピアノの設計を目指し、 1883年にはほぼ現在のピアノの基本となるNew scale Dを発表、翌1884年から販売を開始した。 今回使用した《ローズウッド》No.54958は、生産開始からちょうど 100台目にあたる楽器で、 1925 年までカーネギーホールなどに貸し出されていた。1970年代中頃に日本に送られ、当時のキャピタル東急ホテルに置かれており、1986年ホロヴィッツが 2 度目の来日時にこのピアノを弾いて絶賛し毎日弾いた逸話は、フランツ・モアの著書「ピアノの巨匠達と共に」に詳しく記載され、脚光を浴びた。 2001年 6月19日タカギクラヴィア所蔵となり、ニューヨークでフランツ・モアの長男ピーター・モアの手により製造当時の状態に戻す復元修理を施された。 今もロマン派の時代の生き証人として、当時のコンディションを保つ貴重な楽器である。